歯周病の進行とは?症状の変化と治療・予防のすべて
2025年09月11日(木)
歯のコラム
こんにちは。岡山市北区津島西坂の歯医者「MAEDA DENTAL CLINIC」です。

歯磨きのたびに出血したり、歯ぐきが腫れぼったく感じたりして、「もしかして歯周病が進行しているのでは?」と不安になっていませんか。
痛みなどの自覚症状が少ないため、つい見過ごしてしまう方もいるかもしれません。
しかし、歯周病は気づかないうちに静かに進行し、歯を支える骨を溶かしてしまう病気です。放置すれば、最終的に大切な歯を失うことにもつながりかねません。
この記事では、歯周病が進行する段階ごとの症状や、ご自身でできるセルフチェック方法を詳しく解説します。進行を防ぐための正しいセルフケアもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
歯周病とは

歯周病とは、歯を支える周囲の歯ぐきや骨などの組織において細菌が侵入して炎症を起こし、徐々に破壊されていく疾患です。主に歯と歯ぐきの境目にプラーク(細菌のかたまり)がたまることが発症のきっかけになります。
初期段階では歯ぐきの腫れや出血などの症状がみられるのですが、痛みがほとんどないため気づきにくいです。
進行すると歯ぐきが赤く腫れ、歯ぐきが下がったり、歯がぐらつくなどの症状が現れ、最終的には歯を失います。
歯周病が進行するメカニズム
歯周病は、プラーク内の細菌が歯ぐきに炎症を引き起こすことで始まります。炎症が長期間続くと、歯ぐきだけでなく歯を支える骨にもその影響が及び、組織が徐々に破壊されていきます。
進行のスピードや重症化の度合いは、歯みがきの状態や生活習慣、全身の健康状態などによって異なります。
また、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの隙間が深くなることで、さらに細菌がたまりやすくなり、悪循環に陥ります。早期発見と適切なケアが必要です。
歯周病の原因

歯周病が進行する主な原因について、具体的な要因や誤解されやすいポイントをわかりやすく解説します。
プラークや歯石の影響
歯周病の進行には、プラーク(歯垢)や歯石が大きく関与しています。プラークは歯の表面に付着する細菌のかたまりで、適切な歯みがきができていないと蓄積します。
プラークが長期間残ると、やがて硬い歯石へと変化します。歯石は歯みがきでは除去できませんので、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。
これらが歯ぐきに炎症を引き起こし、進行すると歯を支える骨にも影響を及ぼします。
生活習慣や体質による歯周病リスク
歯周病の進行には、生活習慣や体質も深く関係しています。喫煙は歯ぐきの血流を悪化させ、免疫力を低下させるため、歯周病のリスクを高めることが明らかになっています。
また、糖尿病などの全身疾患がある場合や、ストレス、睡眠不足、不規則な食生活も影響を及ぼします。
加えて、遺伝的体質や加齢も歯周病の進行の原因となります。
歯周病の進行について

ここでは、歯周病の進行について解説をしていきます。
歯肉炎の症状
歯肉炎は歯周病の初期段階で、歯ぐきが赤く腫れたり、歯みがき時に出血しやすくなることが特徴です。痛みはほとんど感じないことが多く、日常生活で気づきにくいです。
軽度歯周炎の症状
軽度の歯周炎になると、歯ぐきの腫れや出血に加え、歯と歯ぐきの間に歯周ポケットができ始めます。口臭が気になることもあり、歯ぐきが下がって歯が長く見えるようになります。
中等度歯周炎の症状
中等度の歯周炎では、歯周ポケットがさらに深くなり、歯を支える骨が徐々に失われます。歯の動揺や噛んだときの違和感が現れ、炎症による腫れや痛みが強まります。
重度歯周炎の症状
重度の歯周炎になると、歯を支える骨の大部分が失われ、歯はぐらつきます。強い痛みや膿が出ることもあり、歯が自然に抜け落ちることもあります。
進行による全身への影響
歯周病が進行すると、口腔内だけでなく全身の健康にも影響を及ぼすことが明らかになってます。特に糖尿病や心臓病(虚血性心疾患)、誤嚥性肺炎などとの関連が報告されています。
歯周病の進行をセルフチェックする方法

歯周病の進行を早期に発見し、適切な対策を取るためには、自宅でできるセルフチェックが重要です。
自宅でできる歯周病セルフチェック
歯周病の進行を自分で確認する方法として、まずは歯ぐきの色や形、歯の動きの有無などを日常観察することが大切です。
鏡で口の中をよく見て、歯ぐきが赤くなっていないか、腫れていないか、歯と歯ぐきの間に隙間ができていないか、歯が以前より動いていないかなどを確認しましょう。
また、歯磨き時に歯ブラシの毛先に血がついていないかもチェックポイントです。
歯ぐきの出血や腫れの見分け方
歯ぐきの出血は、歯周病の初期症状からよく見られます。歯磨きやデンタルフロスを使った際に出血が続く場合は、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。
また、歯ぐきが赤く腫れ、触ると柔らかく感じる場合、歯周病にかかっています。。健康な歯ぐきは薄いピンク色で引き締まっていますので、色や質感の変化を見逃さないようにしましょう。
進行を見逃さないためのポイント
歯周病の進行を見逃さないためには、日々のセルフチェックに加えて、違和感や症状が続く場合は早めに歯科医院を受診しましょう。
特に、口臭の悪化や歯のぐらつき、歯ぐきの後退などが見られた場合は、進行している可能性があります。
歯周病の進行を防ぐセルフケアの方法

歯周病の進行を防ぐためには、日々のセルフケアが非常に重要です。ここでは、ご自宅で実践できる具体的な方法について解説します。
正しい歯磨きとケア用品の選び方
歯周病予防には、歯磨きの方法と口腔ケア用品の選択が必要です。歯ブラシはヘッドが薄いものは奥歯まで入ります。また毛先が細く、やわらかめのものを選ぶと歯ぐきへの負担が少なくなります。
また、歯と歯ぐきの境目を意識して、力を入れすぎず小刻みに動かすことがポイントです。歯間ブラシやデンタルフロスも併用すると、歯ブラシだけでは落としきれない汚れを除去しやすくなります。
ご自身の口腔状態に合ったケア用品選びについては、歯科医師や歯科衛生士に相談すると、おすすめのアイテムを紹介してくれます。
生活習慣の見直し
規則正しい生活やバランスの良い食事も、歯周病の進行予防に役立ちます。特に、糖分の多い食品や間食の頻度が高い場合は、歯垢がたまりやすく、歯石も増えるため、注意が必要です。
また、しっかりとした睡眠と適度な運動も、歯肉の免疫力を保つために重要です。日々の生活習慣を見直すことは、口腔内環境の改善につながります。
禁煙やストレス管理の重要性
喫煙は歯周病のリスクを高める要因の一つとされています。禁煙することで歯ぐきの血流が改善し、健康な歯ぐきを保ちやすくなります。
また、ストレスが続くと免疫機能が低下し、歯周病が進行しやすくなります。リラックス時間をできるだけ作るなど、ストレスを発散する工夫も大切です。
歯周病が進行した場合の治療法

歯周病が進行した場合、その症状や進行度に応じた治療法が選択されます。ここでは、進行度ごとの治療内容や流れ、治療にかかる期間や費用の目安、さらに治療後の再発予防法について詳しく解説します。
進行度別の治療内容と流れ
歯周病の治療は、軽度から重度まで進行度によって異なります。
初期段階では、歯石やプラークの除去を中心とした治療が行われます。
中等度以上に進行している場合は、スケーリングやルートプレーニングの他、歯周ポケットの深さに応じた外科手術や再生療法などが行われます。
重度の場合は、抜歯が必要なことがあります。
治療にかかる期間と費用の目安
治療期間は進行度や治療内容によって異なりますが、軽度であれば数週間から1〜2か月、中等度以上では数か月に及ぶこともあります。
費用については、保険適用の範囲内であれば基本的治療は比較的抑えられますが、外科的処置や再生療法などで自費診療が必要な場合は、その分、費用が高額になります。
詳細は治療前に歯科医師と十分に相談することが大切です。
治療後の再発予防とメンテナンス
治療後は、再発を防ぐための定期的な歯科検診と、歯科医院でのプロフェッショナルケアが重要です。日常の歯磨きやデンタルフロスの使用、生活習慣の見直しも再発予防に役立ちます。
歯周病の進行に関するよくある疑問と注意点

歯周病の進行について、多くの方が抱く疑問や注意すべきポイントについて詳しく解説します。
歯周病は治る?
歯周病は、進行度や個人の口腔内の状態によって治療の効果が異なります。
初期の歯肉炎であれば、適切なブラッシングや歯科でのクリーニングによって健康な状態に戻すことが期待できます。
しかし、進行した歯周病では歯を支える骨が失われる場合があり、炎症のない元の状態に戻すことは難しいです。
ただし、歯周病の進行を止めたり、症状を安定させたりすることは可能ですので、早めの歯科受診と継続的な口腔ケアは必要です。
進行のスピードと個人差について
歯周病の進行スピードには個人差があります。遺伝的な要因や日々の歯磨き習慣、喫煙、糖尿病などの全身疾患の有無が影響します。
また、同じような生活習慣でも歯周病の進行が早い方と遅い方がいるため、自覚症状が少なくても定期的な歯科検診は必要です。
歯周病と他の病気との関係
近年の研究では、歯周病が糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎など全身の健康との関連が分かってきました。
歯周病があると、これらの病気のリスクが高まるため、口腔の健康管理が全身の健康にもつながると意識しましょう。
まとめ

歯周病は、歯ぐきの炎症(歯肉炎)から始まり、進行すると歯を支える骨が失われ、歯も失うことになる病気です。
進行の主な原因は歯垢や歯石の蓄積とされ、初期には自覚症状が少ない場合もあります。進行段階によって症状や治療法が異なり、日々のセルフチェックや日々の歯磨き、定期的な歯科受診が予防につながると考えられています。
進行した場合には専門的な治療が必要となるため、早期発見と予防が必要です。
歯周病治療を検討されている方は、岡山市北区津島西坂の歯医者「MAEDA DENTAL CLINIC」にお気軽にご相談ください。
当院は予防中心型歯科診療で歯とお口を守ることを第一にご家族のどの世代にも優しく、より良い歯科医療を提供することを目指しています。